健康のためには影響管理が重要なのはわかっていますが、以下のような疑問を持ったことはありませんか?
健康のためには影響管理が重要なのはわかっていますが、以下のような疑問を持ったことはありませんか?
- 朝食は摂る方がいい?摂らない方がいい?
- タンパク質を摂るのは運動前が効果的?それとも運動後?
- 同じ食品でも、食べる時間によって効果が違うのでは?
食べるものは重要だけれど、食べる時間も需要。普段全く気にしていなかったといえば嘘になります。
巷では、『16時間断食法』なんていうダイエット法がもてはやされており、そこでは「朝食を抜くパターンが成功しやすい」と紹介されているかと思います。
しかし、
朝食なんて抜いたら、仕事で力が出なくなっちゃうし、昼間で持たないよ。たぶん私には合わないな。
なんて思っておりました。そんな疑問を解決してくれたのが、「時間栄養学」という考え方。
書籍によると、
- 食べ物が体内時計に影響すること
- 同じ食品でも摂取時間帯によって吸収されやすい栄養素や代謝活性が異なること
- ライフステージによっても体内時計や必要とされる栄養素が異なること
といったことなどが紹介されています。
若い頃はあまり気にしていなかったことですが、健康を意識しなければならないお年頃になりました。ですから、この本に基づいて食べる時間と食べるものに着目し、早速実践してみました。
本記事では、この本の概要と感想、実践してみた結果を紹介します。
本書籍の概要
書籍の目次は以下の通り。
『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病』
- 第1章 体内時計とはなにか
- 第2章 時間栄養学―「いつ」「何を」「どう」食べるかで体が変わる
- 第3章 食物繊維を摂るタイミングで、血糖値や腸内細菌はどう変わるか
- 第4章 体内時計と代謝―間食は摂ったほうが体にいい?
- 第5章 時間調理学―時間によって調理を変えると体も変わる
- 第6章 ライフステージ別の体内時計
- 第7章 時間薬理学―なぜのむ時間が決まっているのか
- 第8章 時間運動学―朝の運動と夕の運動で脂肪の燃え方が違う!?
- 第9章 体内時計の不調による、さまざまな「時差ボケ」
- 付録 AIと時間栄養学
目次を見たときに、日頃自分が疑問に思っていることを解決してくれそうな本だと分かりました。
体内時計と栄養素の関係
本書の前半では体内時計について、かなりページを割いて詳しく述べられています。
哺乳類には時計遺伝子が存在し、以下の3つに分類されます。
- 脳の視交叉上核の主時計
- 脳の他の部分の脳時計
- 肝臓や腎臓といった臓器にある抹消時計
これらの時計遺伝子の発現パターンは朝・昼・夜で大きく変動します。また、「朝型」と「夜型」の人では時計遺伝子の型が異なっており、朝型・夜型は遺伝的に決定されています。
薄々気づいていたことではあるけれど、遺伝的に決まっているのなら、夜型を人を朝型にするのって無理なことだよね。
食べる時間と食べるものの関係
体内時計に作用することが分かっている食品成分は、まだそれほど多くはありません。
本書で紹介されているものを一部紹介すると
食品 | 朝 | 夕 |
---|---|---|
乳製品 | 筋肉 | 骨 |
お茶 | 朝型リセット・抗肥満 | 糖尿病・睡眠 |
ゴボウ | 便通・腸内細菌・抗血糖 | |
青魚 | 朝型リセット |
夕食はインスリンの働きが鈍るので、血糖値が気になる方は夕食を早めの時間帯に摂るのが吉。遅い夕食は夜型化と高血糖の危険性が高まります。
詳しく知りたい方は、本書を読んでね。
付録で紹介されている食事管理アプリ『あすけん』
この書籍の付録には、食事管理アプリ「あすけん」を使用して食事調査を行い、分析を行っていることが紹介されています。
そこから得られたデータを基にAIを用いて、ユーザーに合わせた健康アドバイスを行っていることが紹介されていました。
本で紹介されていたアプリをバカ正直に使うことに若干抵抗がありましたが、ものは試しと早速アプリを入れて記録しはじめました。
食事管理をはじめて気づいたこと
私は特に太っているわけでもなく、BMIでは適正体重。食事管理は減量目的で始める人が多いかと思いますが、私は減量の必要は全くないので、「健康維持」の目的で始めています。
自分の食事記録を見ながら、書籍でおさらい
『時間栄養学』というものに出会ったからには、単に食事記録をつけるのではなく、自分の食事記録を書籍で得た知識と照らし合わせなければ意味がありません。
私の食事内容で見直すべきポイントは、
- ビタミンと食物繊維が不足しがち
- 脂肪が多い
ではないかと感じました。
朝食は食パンとヨーグルト、カフェオレのパターンですし、夕食は飲み会や旅行といった特別な日にだけ食べるのみ、で、普段の夕食はごく少量です。
体がちっちゃいので、夕食を摂るとすぐにカロリーオーバーしてしまうため、夕食はできるだけ控えるようにしています。
1日に必要なカロリーが、1,400kcalぐらいしかないんだもん。
昼食は会社で提供される仕出し弁当です。毎日弁当を自分で作って持っていくのは時間の無駄ですし、面倒くさいので、会社で昼食が提供されるなら、迷わず頼んでいます。
この仕出し弁当のカロリーが、私にとって1日に必要なカロリーの半分以上を占めています。
夕食より朝食に重点を置くことに問題はなさそうなので、朝食の内容を本に従って見直しました。
朝食と夕食の工夫
夕食をほとんど摂らないので、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足がちになっています。脂肪と炭水化物がオーバーしがちなので、夕食は主食を摂らずに副食のみにしました。
『時間栄養学』によると、食物繊維は朝食に摂るのが効果的で、脂肪の吸収も抑えてくれるとのこと。
ということで、朝食を
- 十六穀米
- 納豆
- 惣菜(ほうれん草の胡麻和え、切り干し大根等)
- 味噌汁
- 低脂肪乳で作るカフェオレ
夕食を
- ギリシアヨーグルト
- ブルーベリー(冷凍品を利用)
- 野菜サラダまたは野菜ジュース
にしてみました。
夕食少なすぎと吃驚されるかもしれませんが、体が小さいので、これで十分なのです。
朝は忙しくて準備するのが大変なので、週末にまとめて作って、冷蔵庫&冷凍庫に保存。朝レンチンして食べることにしました。
その結果、かなり体質が改善されたことと実感。
痩せただけでなく、メンタルも以前のような不安定さがなくなり、好調です。
食べている総カロリーは以前と変わっていないのですが、食べる時間とバランスを見直しただけで、痩身効果がありました。
一読のすすめ
本書ではマウスやラットといった実験動物で得られた結果を主にしており、ヒトで行われた実験は動物に比べてN数が少なくないという批判を見かけますが、これは実験の都合上仕方のないこと。
動物実験で得られたデータを元にヒトで確認試験をしていると思えば、少ない例数でもある程度結論できるのではないかと、私は考えています。
本書を読んで実践してみることをお勧めできる人は、以下のような人
- 概日リズムの整った規則正しい食生活を送りたい方
- 生活習慣病が気になるけれど、好きなものを食べたい方
- 今までのダイエット法ではうまくいかなった方
本書では、どのような時間帯でどのような栄養素が吸収されているのか、細かく述べられています。
遺伝子名や医学用語などの専門用語が多く使用されており、人によっては「理解するのがかなり難しい」と感じ、通読を諦めてしまう可能性が高いのではないでしょうか。
全部理解する必要はないので、そういう細かいところは気にせずざっくり飛ばして構いません。ポイントだけ押さえれば、実践はそれほど難しくないと思います。
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