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相撲の八百長疑惑と2名の不審死

私はそもそも相撲に全く興味はありません。

しかしたまたま読んだ『ヤバい経済学』という本に、相撲の八百長について書かれていたので気になってしまいました。

著:スティーヴン・J・ダブナー, 著:スティーヴン・D・レヴィット, 翻訳:望月 衛
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かなり前に相撲の八百長疑惑について大騒ぎをしていた記憶はありますが、いかんせん、相撲自体に興味が無いもので、当時は特に何も思いませんでした。

普段私はテレビを見ないし、ゴシップ系雑誌を全く読まないので知りませんでしたが、八百長疑惑について関係者が2名も不審な死を遂げていたことをこの本で知って素直に驚きました。

この現代日本で、こんな陰謀渦巻くような闇の世界があったんですね。

おそらく、相撲界は今でもきっとそうなんでしょう。

元貴乃花親方の騒動(これも興味なし)とか、貴ノ岩の暴力問題とか、その代表的なものなのではないでしょうか。

目次

力士に働くインセンティブとは何か

まずはこの本に書かれている相撲の八百長疑惑の根拠について。

関取と呼ばれる十両になれるかどうか、横綱になれるかどうかで周囲の扱いは大きく変わります。

横綱ともなれば相撲協会からの給料だけでなく、スポンサーが付くなどして何億円も稼げることもあります。

周囲からはどこぞの王子様かというぐらいにチヤホヤされます。

わが町の力士ということで、出身地からももてはやされます。

一方、関取とは云われないような底辺の力士たちの収入は、とても自活できるようなものではありません。

上位力士の付き人としてさまざまな世話をし、そして時には男として屈辱的な世話まですることさえあるようです。

関取に出世できなければ、生活のために耐え忍ばなければならない世界のようです。

統計処理から八百長を暴く

筆者は、1989年から2000年までに開かれた力士281人による3万2000番の取り組みデータを用いて解析を行っています。

千秋楽を7勝7敗で迎える力士の勝率の不自然さ

7勝7杯の力士の8勝6敗の
力士に対する期待勝率
7勝7杯の力士の8勝6敗の
力士に対する実際の勝率
48.779.6
7勝7杯の力士の9勝5敗の
力士に対する期待勝率
7勝7杯の力士の9勝5敗の
力士に対する実際の勝率
47.273.4

『ヤバい経済学』p51より抜粋

7勝7敗の力士が、もうあとはないと頑張った可能性もありますが、その可能性は否定されています。

八百長疑惑のあった次の場所の勝率

八百長騒ぎのあった直後の本場所の勝率を調べると、データをどういじっても7勝7敗で千秋楽を迎えた力士の8勝6敗の力士に対する勝率が50%になると言っています。

八百長報道の直後は、どこにどんな目があるのかわからないため、力士たちは八百長などをせずにガチンコ相撲をとった結果、ほぼ実力通りの勝敗率が出たようです。

報道がなかったときの勝率と比較して明らかに不自然です。データから、八百長がなかったとはとても言えません。

なお、八百長などせず、常にガチンコ相撲であるため怪我が多いとされている力士の場合、7勝7敗で迎える千秋楽の取り組みの勝率はほぼ期待値通りなのだそうです。

関係者の不審死

元力士2人が八百長だけでなく、八百長以外にもさまざまな疑惑や暴力団との繋がりを暴露したところ、2人とも同じ日に同じ病院で死んだという記述がありました。

関係者とは一体誰なのか、不審死に関する具体的なことは,『ヤバい経済学』には書かれていませんでした。

しかし探せば出てきます。

1996年4月14日。元・大鳴戸親方(元関脇・高鐵山)が愛知県内の病院で死亡した。

元・大鳴戸親方は協力者の橋本成一郎氏とともに、同年1月から角界に蔓延る八百長問題を本誌で告発した人物である。14週にわたる連弾手記の内容は八百長以外にも、年寄株に絡む脱税疑惑や力士たちの薬物汚染、さらには暴力団との深い関係に及び、角界のみならず社会的に大きな反響を呼んだ。

この問題は外国人記者の関心も集め、4月26日には日本外国特派員協会で講演会が開催される予定だったが、11日に息苦しさを訴えて入院した親方は、わずか3日後に「重症肺炎」でこの世を去ったのだ。

さらに、その15時間後に同じ病院に入院していた協力者の橋本氏も、同じ症状で死亡した。2人とも糖尿病を抱えていたが、肺に持病はない。当時の日本では「重症肺炎」など、滅多に死に直結するような病気ではなかった。しかし、病院からは病理解剖を勧められず、2人の遺体は葬儀を終えるとすぐに荼毘に付された。

Newsポストセブンの記事

二人とも愛知県の藤田保健衛生大学病院で亡くなったそうです。

なんかね、もうね、ヤバいね。亡くなった2人は『八百長-相撲協会一刀両断』の筆者で、八百長を告発した人らしいです。

著:元大鳴戸親方
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