就職氷河期(初期)世代の同僚と、就職氷河期ネタで盛り上がったので、氷河期考をしてみたいと思います。
私も就職氷河期(初期)世代です。
就職氷河期の就活状況
旧帝大工学部は、バブル期に比べて就職する会社の規模が変わるだけで、ほとんど苦労せずに就職できたと伺っております。
同じ旧帝大院卒理系でも、医・薬学、工学系以外は苦戦していました。
ましてや、Fランク大学はたいへんだったと思います。
特に女子は壊滅的で、旧帝大でも最初から就職活動すら諦めていた人が多数いました。
そのような人はおそらく就職希望者数には現れないので、実際の統計データとはズレが生じている可能性があります。
そういう私も、体調が悪くてまともに活動できなかったこともあり、就活は上手くいきませんでした。
最後は半ばヤケになって、地元の中小企業の合同就職説明会に行って、何も考えずに最初に座った会社から内定をもらえたのでラッキーな方です。
このときは学歴のありがたみを感じました。
行く先々で,私の学歴を知った人からは
なんであんたみたいな人がこんなところに?!?
と非氷河期世代(特にバブル世代)から驚かれることが多いのですが、氷河期世代からは共感されます。
氷河期世代あるあるです。
就職先が見つからない、あなたならどうする?
人手不足が叫ばれている昨今、氷河期世代の自分としては隔世の感がありますし、羨ましくもあります。
氷河期時代の社会(政治)を恨みたくなるというか、恨んでいます。
就職を諦め大学院に進学したり留学したりする
就職口が見つからないから、社会に出るのを先延ばしにするために大学院に進学、あるいは留学する人の割合が高かったです。
修士課程まで進んでみたけど、やはり就職口が見つからないので、さらに先延ばしにするためにとりあえず博士課程にまで進んで博士号を取得する人も多くいました。
博士号取得後、とりあえずポスドクで経験を積みますが、必ずしもアカデミックポストに就けるわけでもなく、高学歴ワーキングプアとして社会問題になっていますよね。
今でもまだ少ないですが、博士号取得者を採用する日本の企業は少なくあぶれました。
日本のポスドクのポストすら就けず、海外にポスドクの職を求めて渡った人も知っています。
ポスドクにも就けなかった人の中には派遣として働き始める人もいました。
そういう人、何人も見ました。
就職先が見つからずバイト先にそのまま就職?
バイト先にそのまま就職する人もいました。
完全無職になるよりか、フリーターでも職があるだけマシだからという考えからです。
バブル世代からは
バイト先(飲食店)に就職するなんて,バカじゃないの。ありえないでしょ。一生の仕事にできるとは思えないし。給料が増えるわけでもないし
と言われ、理解されません。
パートの仕事
また、女子の場合は最初からパートの仕事を探して実際に就いた人が大勢いました。
女子の場合、妥協してパートの仕事というのは男子よりも 見つけやすかったです。
私は結婚・出産後、パートの研究助手として働いていた某研究所で一時働いていましたが、そこでは一度も正社員として働いたことのない旧帝大院卒女性のパートの人がいました。
この方も最初から就職することを諦めて就職活動すらせず、ずっとパートの仕事をしているのだそうです。
私の前任者は大学を卒業しても正規の職が見つからず、仕方なくこのパートの仕事をしていた国立大卒の方でした。
そのような女性たちが、最先端の研究を支えているというよりも、していました。
パートなのに、論文を読んで同じ土俵で議論できるだけの実力があるのですが、地位はやはりパートなんですよね。
能力の無駄遣いとしか思えません。
リーマンショックによる氷河期のとき、国立大修士課程在学中の方が面接に来ていました。
面接官たちは「なぜこんなパートの職に?」といった表情でしたが、氷河期初期世代のパート女性たちは「痛いほど気持ちがわかるわ~」と言い合っていました。
条件が合わなかったのでお断りさせていただきましたが、就活時期が不況だとなかなか就職口が見つからない理不尽さを改めて感じました。
就職できなかったのは自己責任だという人は嫌いです。
そういえば、今でもバイトやパートの仕事の掛け持ちをして凌いでいる人もいますよね。
どこの組織に行っても、自分たちの世代が少ない
就職氷河期世代は第二次ベビーブーマー世代でもあるので(正確には少しずれる)、人口ボリュームはあるはずなのに、どこの会社組織もその年代が極端に少ない印象を受けます。
この世代は一体どこにいるのでしょうか?
正社員として働いている人にバブル世代は多いのですが、同年代からやや下の世代は正社員よりも派遣社員として同じフロアで働いている姿をよく見かけます。
その中から、運が良ければ正社員登用されている方もいます。
そういう人は新卒から正規で働いている人とどこか雰囲気が違い、ドライというか、達観しているというか、会社と距離を置いているようにもみえます。
残りはやっぱり引きこもり?
人口ボリュームがあるはずなのに、組織の中でのボリュームは体感として低いです。
正規で働いている人だけではなく、非正規で働いている人を含めても低いと感じます。
組織で見かけることのない氷河期世代は、一体どこにいるのでしょうか?
やはり、自宅に引きこもっているのでしょうか?
引きこもりとは言っても、自室に引きこもっているのではなく、普通に近所付き合いはできるし、買い物もできるので、一見引きこもりには見えない引きこもりです。
多数が引きこもりには見えない引きこもりなのではないでしょうか。
ただ、無職なだけ。
中には世間体を気にする親の影響もあってか、自宅のみならず自室からもなかなか出てこれない本当の引きこもりもいることでしょう。
仕事を探せと言われても、氷河期が長すぎてしまったがゆえに自己肯定感がダダ下がりになり、仕事を探す気力を奪われてしまっただけ。
もう、遅きに失したのかもしれません。
社会から無視され、いずれは生活保護受給者になってしまうのでしょうか。
就職氷河期世代を救えないというか、むしろ助長した民主党政権と消費税増税政策は支持できません。
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