教師たちの長時間労働が問題になって久しいですが、残業代をもらえると思っている人のほうが多いようです。
私も知りませんでした。
だがさらに踏み込んで、「公立学校の教員が時間外に行っている部活動指導・授業準備・テストの採点などは残業代が『支払われない』こと」については、「知っている」は38.7%にとどまり、「知らない」が61.3%である。
公立校の教員は、法的には残業をしていないことになっている(詳しくは、拙稿「残業代ゼロ 教員の長時間労働を生む法制度」)。教員の長時間労働のことは見聞きしているけれども、その際の時間外労働がじつは「不払い」によって担われていることについては、多くの労働者がまだ「知らない」状況である。
https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20181125-00105367/
給特法が教師をブラック労働に導いているのか
教員には労基法が適用されず、代わりに給特法が適用されるのだそうです。
1971年に制定された法律なのだそうですが、これだけ教師のブラック労働が社会問題化している昨今、見直しの時期に来ているのではないでしょうか。
問題となっている給特法とは、一体どのようなものなのでしょうか。
① 「正規の勤務時間をこえて勤務させる場合は,文部大臣が人事院と協議して定める場合に限る」(6条1項)
② 地公法58条3項を読み替え, 教師には労基法33条3項を適用し, 「公務のために臨時に必要」な場合は時間外・休日労働を命じ得る (5条)
③ 「俸給月額の百分の四に相当する額の教職調整額を支給する」 (3条1項)
④ 時間外勤務手当および休日勤務手当は支給しない (3条2項)。 労基法37条の適用を除外する (5条)
わかりやすくすると、教員にはみなし残業代として月給の4%は支給するよ。でも、それ以上の残業代はつかないからね。
学校行事や部活動は時間外勤務になるから、手当はつかないよ。
災害時といった緊急時の子どもたちの指導も、時間外勤務だよ、だから無休だよ。
給特法が適用されない私立校や国立校の先生の労働時間の実態は?
私立校の中には、ちゃんと残業代が支払われているところがあるようです。
だからといって、それが先生たちの過重労働が回避されているかと言うと決してそうではなく、ブラック労働ぶりは公立校とあまり変わりません。
つまり、法律云々の話ではなく、
ということではないでしょうか。
よりよい教育のためには教員にも休息と社会勉強を
子どもたちのためについつい夜遅くまで残業をしてしまい、土日の休日も返上で部活の指導をし……。
その崇高な気持ちはよくわかります。
24時間、自分のための時間はそっちのけで、子供に向かい合っているなんて、子供の親そのものです。
先生は子どもたちにとっても親のような存在とも言えるかもしれません。
でも,先生たちは親ではありません。
子どもたちが接する身近な社会人です。
教師は、親とは違う目で、子どもたちが社会の中で自立した社会人となるための教育をする存在だと思っています。
先生が狭い学校社会の中だけしか知らないようでは、困ります。
先生たちも、時にはしっかりと休息をとって自分の時間を持ち、読書をしたり旅行したりして、見聞を広め、子どもたちを指導してほしいと願っています。
十分な休息をとったほうが、逆に子どもたちへどのような教育をすべきか考えることができますし、生産性が上がると思いませんか?
先生たちにも労基法の教育を
私自身、教員免許を持っているだけで教員の経験はないのですが、教員免許を取得するための講義を受ける中に、労働時間に関する講義を受けた記憶はないです。
教員免許を取得しようとしている学生に、労基法に関する授業を必須にしてはどうでしょうか?
労働基準法は知っていても、その中身についてよく理解していなかったりして、たとえ教員は適用外でも理解したほうが良いのではないでしょうか。
子どもたちもいずれ社会には出ていくし、アルバイトだってします。
その指導をする先生が労基法を知らなかったり、先生が労基法に遵守した働き方ができなくて、子どもたちを指導できますか?見本になりますか?
子どもたちは自分の親だけでなく、先生たちの働き方も観ています。
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